2005年09月03日

テディベアの活躍――初心者のためのテディベア入門3

『グッド・ベアーズ・オブ・ザ・ワールド』という国際基金を知っていますか。様々な団体にベアを寄付することを通して心の支えを必要とする人々を慰めようというボランティア組織です。

贈られたベア達は、例えば救急車や病院では突然の病気や事故で怯えている子供達の恐怖心を和らげるために、警察では虐待や様々な災難に遭遇した子供達を慰めるために、また児童保育施設や難民収容施設、裁判所でもベアは子供達を元気づけているようです。事故を目撃してショックを受けている子供が現場の状況を説明できるようになる程ベアは彼等を落ち着かせ、怯えやパニックから小さな心を救い出してくれるのだそうです。恐怖心を和らげるために手術の説明をベアをモデルに行い、また言葉を無くす程の精神的ダメージを受けた子供がベアの口を借りて(ベアが喋っているものとして)語り始めたりするケースもあり、ベアは大人と子供の仲介役も務めるのです。

Good Bears of the Worldを組織した人物自身、幼少の頃は虚弱な身体の為に長期入院を経験しており、不安や寂しさの中で「ベアがそばにいてくれたら」と願っていたことが成長しても忘れられず、病院にベアを寄付をし始めた。それがグッド・ベアーズを組織するきっかけになったのだそうです。

ベアが活躍するのは子供達の間だけではありません。

ある登山家が天候の急変と寒さの為に意識は朦朧とし気力を失いかけた時、山のふもとの少年が貸してくれたベアの事を思い出し、リュックから取り出してベアを相手に一晩中語り続けた、というお話もあります。もちろんベアは話し相手になる事を拒んだりはしませんでした。

米国の森林火災防止キャンペーン他様々な基金や募金のシンボルやマスコットとしてもベアは活躍しています。イギリスではハンディキャップを背負った子供達の為の募金箱にテディベアが用いられているとか。確かに無邪気なベアの顔を見ていると平和で優しい気持ちになることができますから、この起用は正解です。

このようにベアはただのぬいぐるみではなく、子供達の精神衛生に役立ち、また社会にも貢献しているのです。理屈では説明できないような、人の心に与える感情的な影響をこの小さなベアは私達に教えてくれているのでしょう。
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2005年09月02日

テディベアの表情の秘密――初心者のためのテディベア入門2

テディベアが世界中で愛される理由の一つに、その表情があります。これからご紹介する内容はあくまでも一般論ですが、ちょっと心理学っぽい話かも しれません。

ぬいぐるみの場合、表情の決め手となるのは口の作り方です。口の端を上げてあげれば笑顔になるし、もちろん大きな口を開けて笑わせることだって可能です。でも、基本的にテディベアの顔は無表情なのです。目は丸いボタンなので目の位置で個性は出せますが目だけで笑わせたり怒らせたりという表情をつけることはできません。そして口は刺繍して作ります。形はいろいろです。(イラスト参照)勿論、口の角度や大きさでおっとり屋さんとかやんちゃ坊主という性格が出てきますが、いずれのベアも口を「へ」の字に結んでいるのです。

これがテディベアの大きな特徴であり愛される秘密なのです。笑っても怒ってもいないベアの表情は、そのベアを見る人のその時の心の状態によって何故だかごきげんな顔になったり呆れた顔になったり千変万化して見えるのです。そして悲しいときに優しい表情で慰めてくれたり、怒っているときに穏やかな(時にはひょうきんな)顔でなだめてくれたりして持ち主の心を安らかにしてくれる。もしかしたらテディベアの顔は自分の心が必要としているものを写し出す鏡なのかも知れません。そうやって心の隅っこに入り込んで居場所を作ったテディベア達は、少しずつ自分にとってなくてはならない存在にへと育っていくのですね。

クマ絵描きを目指して少しずつクマちゃんのイラストを描き重ねている私ですが、テディベアの見る人の心によって変化する表情だけは二次元の絵では表現する事ができないな、と思ってしまいます。それでも幸せそうな可愛いクマちゃんを沢山見たいから、こうしてシコシコと描き続けているんですけれどね。

次の章、『テディベアの活躍』へ→
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2005年09月01日

テディベアって何?――初心者のためのテディベア入門1

ミッキーマウスとかミッフィー(私の子供の頃は専ら「うさ子ちゃん」と呼んでいたけれど)というと固有のキャラクターを指しますが、テディベアには特定のキャラクターは存在しないのです。テディベアとはいわば熊のぬいぐるみの総称みたいなもの。こだわり派の中には「(ぬいぐるみの中にジョイントと呼ばれる骨組みが入っていて)手足と顔の向きが自由に動かせるベア」だけをテディベアと呼ぶのだという人もいますが、一つのポーズしか出来ないいわゆる「ソフトベア」だって私はテディベアだと思うのです。だってぬいぐるみの愛らしさには変わりはありませんから。

蜂蜜色のテディベア欧米では生まれた子が3才くらいになるまでに、周囲の大人がテディベアを贈る習慣があるそうです。小さい頃にテディベアを貰えないのは親の怠慢だ、とまで言われる程。そして子供はベアを相手に話をしたり世話をやいたり悲しい事や嬉しい事を共有しながら成長するのです。時には兄弟になり、また時には親友になったり、心を許せる相手としてベアはいつでも何時間でも辛抱強く遊び相手をしてくれます。あえて言えば女の子には人形で男の子にはテディベアという区別も出来ますが、男の子でも女の子でもテディベアに関心のない子なんていないと思いませんか。

他の動物のぬいぐるみと違い熊のぬいぐるみがテディベアという総称を与えられているのは、それだけ多くの人に好かれているからなのでしょう。でもどうして熊のぬいぐるみが他の動物より人気があるのでしょうか? それは抱きしめる事ができるから。四本足の動物は四肢が邪魔で抱きしめることができません。

えっ、熊だって四本足じゃないかって?そうなのですが、秘密は骨格にあるのです。ヒトとクマの骨格は他の動物に比べて似通っているので、熊は人間のように直立して二本足で歩く事ができ、しかもサルにもさえ真似できない程、膝も背骨もピンと伸ばして立つ事ができるのです。その骨格といい、二本足で立って遠くを眺めたり二頭でプロレスする姿といい、擬人化しやすいのが熊なのです。親近感があって抱きしめる事のできる愛らしいテディベアは、側にいてくれるそれだけで子供の心を安らかにしてくれるのでしょう。

(クールに分析すれば『テディベア』という単語が商標登録されないまま一般名詞化してしまったために、認可を受ける必要なく誰でもテディベアを作って売る事ができたので広まり易かったという説もあります。←感性で物事を受け止められない人用の説明。でも故星野道夫氏の撮影した「氷をまくらに仰向けに大の字になって寝る白熊」の写真を見て人間に似ていると感じない人は少ないと思う。)

ぬいぐるみというと子供だけの持ち物で、大人になってまでぬいぐるみを愛玩している人はちょっと恥ずかしいなんて思っていませんか? でも、安らぎを必要としない人なんているのでしょうか。誰と会っても何をやっても安らぐ事を知らないより、テディベアの顔を見てフワフワ毛皮に触れて心の安定を取り戻すことができる方がずっと貴いと思います。

次の章、『テディベアの表情の秘密』へ→
posted by チャンドゥ at 21:16| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | テディベア | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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