主演が健様だと知らずに見に行ってしまった。マツケンですよ。道理で客層に違和感があったわけだ。
物語はまさに、女性のために書かれたストーリーでしたね。私とて元乙女ですから、いやー泣けた泣けた。地位も教養もあり美貌(たぶん)の伯爵が一途に妻を愛し、その愛故にヴァンパイアにまで身を落とし、妻の生まれ変わりを捜し続ける。ヒロインは男性にモテモテの美貌と知性の持ち主で、ずっと夢の中で素敵な男性から名前を呼ばれ続けたり、夢の中のお花畑で自分が知らない土地の歌を歌ったりする。
やがてヒロインは伯爵と出会い、婚約者がいながら伯爵に惹かれてゆくが、伯爵が何者か、そして自分が何者かを知る。そして伯爵が死を望むにあたり、ただ死ぬだけでなく自分の残した罪(手下のヴァンパイア達)を清算して死にたいという、紳士というか騎士道というか正義感を見せたりする。その願いを果たすためのカギは、ヒロインに…! もう、ウハウハ。
ヴァン・ヘルシング教授は今回は今井さんだったけれど、初演は鈴木綜馬さんだったんですって? 今井さんも嫌いではないけれど、鈴木さんの声を愛する私としては、初演を見ておけば良かったと後悔しきり。それに伯爵と教授ってば、体型がかぶっているんだもん。まぁ、伯爵と教授はコインの裏と表って言うぐらいだから、まんま樽体型でかぶっていていいのかも知れないけれど。
ヒロインは初演は剱持たまきさん、今回は姿月あさとさん。済みません、ヅカ役者さんは余程うまく現世復帰されない限り、元男役は声が太く高音が不安定で、元女役は声がキンキンで聞き取りづらいのです。たぶんヅカファンの方はあまり気にならないのでしょうが、ヅカを見慣れない者には、かーなーりー、違和感があるのです。でも舞台上の存在感は姿月さんがとっても良かったので、初演再演でキャストの甲乙は付けがたいかも。
IZAMはダメだわ。初演の大澄賢也で見たかった(私、大澄賢也のミュージカルを見たことないけれど)。
アーサーの松原剛志さんは役得でしたね。アンジョルラスの時には華が少なめでしたが、この舞台では華がちょっと増えてた。
ヴァンパイア三人娘は超お気に入りになりました。コーラス兼狂言回し的なこのポジションは、使い方が上手いなぁ。それに衣装も格好いいし(裾捌きが大変だそうです)、スタイルいいし。
総合的には見に行って良かったと思えた舞台ですが、最後に一つ。この演目は健様の主役ありきなのですか? 進行のそこかしこに、にわか健様ショーみたいな余計な演出が挟み込まれていて、ストーリーの邪魔になっていました。笑いも要らない。クレーンも、エリザベートのゴンドラ並みに苦笑ものだから、どうにかしてほしい。ハッキリ言って、もっとスタイルが良くて歌を歌い崩さない役者に伯爵を演じて欲しかった(顔はメイクでどうとでもなるから不問)。
ああ、でも、健様のオーラと色気があってこその悲劇の物語なのかも知れないなぁ。
posted by チャンドゥ at 00:00| 東京 ☀|
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